◆NPO法人世界ヒバクシャ展の歩み

NPO法人世界ヒバクシャ展は、2002年に広島、長崎の被爆者の写真を40年以上にわたって撮り続けてきた写真家の森下一徹が、世界各地のヒバクシャの写真を撮り続けてきた写真家に呼びかけて設立しました。

 

 原爆、核実験、原発事故、劣化ウラン弾、ウラン鉱山などによるヒバクシャは、人類が生み出した愚かな現実の最大の証人です。

 その体験と証言を写真で伝え、核や被ばくについて考える機会を提供することを目指して、6人の写真家(森下一徹伊藤孝司 桐生広人 豊崎博光 本橋成一 森住卓)の写真展を国内外で開催してきました。

 

 森下一徹が病に倒れ、ほぼ6年にわたって活動を中断していましたが、福島第一原発事故を受けて、森下一徹の娘、森下美歩を中心に、2011年暮れから活動を再開し、独自の写真展を開催したり、写真展などのイベントに積極的に写真を貸し出したりしています。

 

 2013年からは、京都での金閣寺・銀閣寺とのコラボ写真展を皮切りに、世界遺産と人類の記憶遺産としての世界ヒバクシャ展とのコラボ企画も始めました。


ブラジル、台湾、韓国など海外での写真展も開催してきました。


コロナで活動を一時中断した後、2024年には被爆建物の旧日銀広島支店で「広島、長崎だけじゃない 世界のヒバクシャ」を開催するなど、2025年の被爆80周年に向けて、活動を強化しています。

 

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私が写真展で伝えたいこと(森下一徹メッセージ)
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◆ヒバクシャの思いを世界へ~森下一徹~

療養中の写真家・森下一徹が、どんな思いで被爆者の写真を撮り、なぜ世界ヒバクシャ展を始めたかを語っています。ぜひご覧ください。

◆おわびから始めます

            森下 美歩 (世界ヒバクシャ展代表)

私は訪問介護の仕事をする中で、お年寄りからたくさんの戦争体験をお聞きしました。多くの方が「戦争はいけない」「人間としてひどい過ちを犯してしまった」「できるものならおわびしたい」と、心にわだかまりを残したまま亡くなっていかれました。


世界ヒバクシャ展の活動を引き継ぐにあたって、私は、“おわび”から始めたいと思います。
太平洋戦争で多大な迷惑をかけてしまった韓国・北朝鮮をはじめとする国々の人たちへのおわび。ヒロシマ、ナガサキの被爆を経験しながら、核実験や、湾岸戦争など世界の戦争、イラクなどでの劣化ウラン弾の使用を止められず、先住民族の聖地をウラン採掘や核廃棄物の投棄などで汚すことも止められず、世界中にヒバクシャを生み出してしまったことへのおわび。
そして、「原子力の平和利用」という言葉の下で原発の建設を許し、福島第一原発事故を引き起こして世界中に放射能をばらまいてしまったことへのおわび。


日本人として、こうしたおわびの言葉をきちんと伝えながら、現実を見つめ共に未来を考える材料として、世界にヒバクシャの写真を展示・紹介し、広島・長崎の原爆で亡くなった人たちをはじめ、犠牲となった世界のヒバクシャたちの命を無駄にしないようにしていきたいと思います。


今日、世界は様々な問題を抱えています。街の犯罪から、大規模な戦争やテロなど、これらは、私たちが子どもから楽しい時間を奪った結果です。子どもたちの無邪気は世界を癒す想像力の種です。この写真展は、世界の子どもたちに、私たちの過ちを知ってもらい、地球のこれからを考える勉強の教材としても役立てば幸いと思っています。
厳しい現実をみつめることからしか、未来への希望は生まれないのです。

 

◆NPO法人世界ヒバクシャ展の役員

理事 森下美歩(代表)
理事 安在尚人(事務局長)
理事 小澤陽祐
理事 片岡和志
理事 川村健一

理事 しらいみちよ

理事 デービッド・マッキントッシュ

理事 服部道子
監事 古川順弘


◆NPO法人世界ヒバクシャ展の定款

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